体操座りと救世主
「なあヨネ、そろそろ本気で眠いんやけど。」
「えー、待ってやー。」
「布団入っとんやけんええやん。寝るよ。」
「えー。」
ただでさえ狭くて暑いのに、ヨネはしがみついてくる。
「ヨネ、もし俺が幽霊やったらどうする?」
「えっ!」
「例えばやん。」
「…タケさんみたいな優しい幽霊やったらええわ。」
「ははっ。じゃあ大丈夫やん。」
「え?」
「おやすみ。」
ヨネはキョトンとしている。
大丈夫だこいつは。戸上の秘密を知っても、大丈夫。
「タケさん、なんか兄ちゃんみたい。」
でっかい弟はぴったり俺に引っ付いた。