体操座りと救世主
翌日。
「文太ー。浴衣とか着んでよかったん?」
母さんがせんべいを食べながら言ってきた。
「いいよー。めんどい。」
「あそ。」
「いってきまーす。」
「お土産にかき氷買ってきてや。」
「溶けるわ。」
家を出るとちょうど雅也が来た。
「雅也浴衣やん!」
「なんで文ちゃん浴衣やないん?」
「動きづらいやん。」
「張り切って着たのにー!」
「ええやん。似合っとるよ雅也。」
電車たくさん浴衣を着た人が乗っていた。みんな花火大会に向かうのだろう。すごく混んでいる。