とけない気持ち
「優......」

遥が複雑な顔で女の子を見た。

2年も会ってなかったくせに、嫉妬してしまう。

「私、帰ろうか」

女の子が言うと、

「待って」

と遥が制した。

遥はチラッと私を見てから、

「二人とも部屋はいって」

と言った。

優さんは笑顔で「はーい」と言って、タンタンと階段を上っていく。

遥は、もう一度私を抱き締めた。

今度は、優しく。

そのまま軽くキスをされて、また涙が流れた。

遥は先に家に入り、「おいで」と手招きする。

私は少しだけ戸惑いながら階段を上っていった。
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