とけない気持ち
「えーっと、高校2年の倉本優です」

「あっ...高校1年生の坂月結衣、です」

「あ、一個下なんだ!」

へぇー、と一人納得した様子の優さん。

「結衣ちゃん、急にいなくなったんだよね?」

「......はい」

「うん、ごめん、結衣ちゃんいない間に遥をたぶらかしました」

冗談ぽいけど本気の目で、優さんは言った。

「...2年も離れてたんで」

「ん、まぁね。」

でも、と続ける。

「結衣ちゃんが戻ってきたら別れるって約束なんだ」

「えっ....」

優さんは立ち上がると、部屋のドアを開けて叫んだ。

「遥ー!戻ってこーい」
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