とけない気持ち
「嘘じゃないって、遥しつこいよ」

「ねぇ結衣」

「何?」

「バレてないとでも思ってる?他にもいっぱいあるでしょ?気付いてるんだよ、俺」

だめだ、やばい。

指摘されなかったから安心してたのに。

「言い訳考えてる顔」

言い当てられて、何も言えない。

どうしよう、でも、誤魔化さないと。

「結衣、隠さないでよ。ねぇ」

だめだ...遥が怖い。

「ごめん...ほんと、何もない」

「ねぇ結衣」

ぐいっと腕をつかんで、無理矢理目を合わせてきた。

「......っ」

痛い。

「言ってよ」

「....ぅ」

涙が溢れてきて、私は目をそらした。

「え、あっ!ご、ごめん結衣」

遥が腕をパッと離した瞬間、頬を涙が伝った。

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