一生かけて。
──えー、本日は天候にも恵まれ
ごめんなさい、校長先生。
今、運動会じゃないですよ。
というか…。
こっちの学校、はずれたかも。
なんていったって校長先生の話が長い!
もうほとんどの生徒寝てるし。
あたしも寝たいんだけど、今コンタクトだし。
あーあ、早く終われー。
──1年4組
やっと入学式は終わり、
そう書かれた教室内へ足を進める。
「席どこだろ…」
席番号が書かれた紙を見ながら
なんとか席にたどりついた。
「え…///」
あたしの前の席は…。
とてもカッコいい人だった。
少し明るく染め上げた髪。
謎があるような茶色い瞳。
すっと高い鼻。凛とした顔立ち。
モデルにでもなれそうな長い足。
…これって、一目惚れ?
いやいやいやいや、うん。
カッコいいって思っただけだよ。
うん。そう。ただカッコいい人。
一目惚れなんてあり得ないし…ね?
そう自分に言い聞かせ、
黒板の前にたつ先生の方へ向いた。