一生かけて。
中学校時代。
あたしは、人よりも一目惚れが多くて、
人をたくさん好きになった。
でも、その分。
告白もしない失恋がたくさんあった。
だから、高校生になってからは、
一目惚れなんてしない。
この人じゃなきゃだめって思う人を
とことん好きになろう。
そう決めたのに…。
でも、こうやって減らして行かなきゃ。
なにも始まらないもん。
そう考えてたとき。
「じゃー今から寮の部屋の鍵わたすぞ」
あ。先生の話全然聞いてなかった。
寮の部屋は2階がいいなぁ。
この高校の寮の2階は、
販売機も売店もあって、とても便利。
お願い、2階でありますように。
「星野ー、お前は206な。」
え、2階だ。良かったー!
急いで鍵を取りに行き、
自分の鍵という嬉しさのあまり
その後の授業もずっと鍵を握りしめていた。