一生かけて。

──ガチャ
「ただいまぁー…?」
恐る恐る入ってみると
寮の部屋は想像していたのより
とても広かった。
「でも、1人にしては大きすぎない?」
そう純粋に思っていることを
口にしていると…。
「1人じゃないよー?」
急に後ろから声がして慌ててふりかえる。
「え…?同室ですか?」
2人部屋だったのか。
「うん。あたしは、神田舞華。よろしくね」
タメ口でいいよ。そう言った彼女に
少し戸惑いながらも
「あたしは、星野美奈。よろしく…ね」
普段は人見知りが激しいけど、今回は言えた。
「舞華でいいからねー!美奈って呼んでいい?」
舞華…かわいい名前だなぁ。
「あ。うん!」
その後、あたしたちは本当に楽しく話して
すっかり打ち解けた。
舞華の話で分かったこと。
舞華もあたしと同じクラスなんだって。
そしてあたしの前の席の人は、この町では
知らない人がいないってくらい
人気者で、結構性格も良いらしい。
でも、怒ると怖いらしくて。
なんか明日から不安だなぁ…。
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