甘い囁きが欲しい
「・・・っ」
愛の言葉を囁いてはくれない
「かわいいよ」
「やだッ・・・」
「優香ちゃん、かわいい」
何度も繰り返される言葉は、私の欲しい言葉とは違っていて。
私の望む場所とも違っていて
勝手に緩んでしまう涙腺に彼は大きな勘違いをまとう
「きもちいの?」
たとえば、名前で呼びたい、とか
もっと連絡が欲しいとか
毎日あったことを聞いて欲しいとか
辛い時はそばにいて欲しいとか
あなたをもっと知りたいとか
言いたいことも、確認したいことも私はいつもいつも言えない。
ううん、言えないわけじゃないの。
離れて欲しくないから、言わなかった。
こんなことを思っている私を、どう、思うのだろうか。