甘い囁きが欲しい
お酒の力も借りているのは間違いない。
誰にも言えなくて、苦しくて。
そんな気持ちを、部長に話したら彼は仕事のように答えと導くすべを教えてくれるのだろうか。
もう、止められずに、蓋を無理やりした気持ちが溢れてきてしまった。
「私は、すごく好きなんです。
理想そのもの、本当にそんな人で」
「・・・そうなんだ」
「でも、彼は私のこと」
おもわず、言葉につまる。
今まで誰にも言えなかったのは、ううん。
言わなかったのは言葉にして出してしまうとそれを認めるしかないようで。
自分自身が悲しくなるとわかっていたからで。
あー、なんて自分勝手なんだろうかとこの瞬間に思った。
「私のこと?」
促すように続けられた言葉にそっと口を開く
「都合のいい女としか、思っていません、から」