甘い囁きが欲しい
耳元に響く声が、悔しくて。
なぜ、私の欲しい言葉を、彼ではなくて尊敬する部長はあっさりと言ってくれるのだろう。
「好きなんだよ、優香ちゃんのこと」
「でもっ」
「うん、知ってる、でも好きだよ」
頭がグラグラして、もう全て酔いのせいにして寝てしまいたいと思った。
なぜ、こんなにも優しく切ない声で彼はこんなことを話すのだろうか。
「私っ、そんなこと、できません!」
「うん、そうだね」
こんな時にも優しい部長をやっぱり、苦手だと思う。
「それでも、俺は好きだよ」