甘い囁きが欲しい

いつもは気だるさも感じる月曜日も、今日は違った。
それと同時に私へ向けられる同僚からの視線。
「どうだったの?」
「素敵な人がいたの」
「うまくいったの?」

同僚、といっても彼女とは馬のある友人のような存在で声を潜めながら話す様はまるで学生時代を彷彿させる。

「うまくいったよ」



小さく言ったはずなのに、気にしないようにしていた視線が強くなった気がした。



時計を確認するように振り向けば・・・


不意にぶつかる、視線。


今日も、この部を取りまとめる部長は、健在。




逃げるように、同僚である彼女へと視線を思わず戻してしまったのは仕方がないこととしてほしいよ。





いつでも、優しい部長を、私は少し苦手だった。






「朝礼始めますよ」




恋をした、恋をしている


こんなにも毎日が生き生きとするなんて。
< 4 / 35 >

この作品をシェア

pagetop