お茶の香りのパイロット
カイウがアルミスに電話で報告すると、アルミスはやはりパイロットが女性であることに難色を示したが、マーティーの従妹であることもあって反対することもできず、とりあえずいっしょに帰還するように指示をした。
そして、フィアにはディーナに何を言われても気にしないようにと伝えた。
「大丈夫ですよ。軍でいっしょに働くわけではありませんし・・・。
それより、きちんと栄養をとって働いたあとは必ず休息はとるようにしてくださいよ。
私たちが帰還したら、忙しくなるんですからね。」
「わかってますよ。でも寝つきがどうも悪いです。
やっぱりフィアが見守ってくれてないと、目をずっとつぶっていられないみたいで。
あ、夜のパーティーは適当に。
ドレス姿の写真はカイウにしっかりと撮ってもらって、帰ったら私にくださいね。」
「もう・・・アルミス!」
「残念で仕方がないんです!ドレスを着たあなたとダンスを踊りたかった。
私が同伴ならもうちょっと胸のあいたドレスを選んだのに・・・。」
「アルミス・・・。もう切りますよ。」
「あ、すみません。と、とにかく無事にもどってください。」
「あの・・・1つ教えてほしいんですけど、アルミスってどうして私にもそんな敬語を話すんですか?
ずっと気になっていたの。
基地の中でも、周りのみんなが敬語を使ってるのに、同じように敬語で返してておかしいなって。」
「それはね・・・クセになってしまってるのもあるんですけど・・・私の姉の方針です。」
「お姉さん?」
「ええ、2年前に移動中に事故に巻き込まれて亡くなった姉が生前に感謝することをよく私に話してくれましてね。
姉をどうしても忘れたくなかったので、一人称も『私』に決めたし、敬語はその場の適当なものですけど、ですます調の方が軍の司令官ぽくなくていいかと思いましてね。
ただ、フィアから見てそれが男らしくないとか嫌だったら正すようにしますけど。」
「そんな・・・私はありのままでいいですよ。
敬語でも私でも、命令でもアルミスがアルミスであればいいんです。」
「ああ~~~~もう、やっぱり君は可愛過ぎます!
今すぐ抱きしめたいくらいです。」
「ふふ、じゃ、早く休んでくださいね。」
電話をきるとカイウが苦笑いを浮かべながら、パソコンで仕事をしていた。
「もうちょっとでデータの送信が終わるから、パーティーの準備をしておいで。
メイク室にいけばここのスタッフがすべて手伝ってくれるって言ってたから。」
「はい。・・・あの、カイウさんエスコートお願いしますね。」
「おお、アルミスに代わっての重大な任務だからな。あはははは。」
メイク室ではパーティーに参加する女性たちたくさん、着替えたり、メイクをなおしたりしていた。
フィアもドキドキしながら、担当のスタッフのところへ行くと、にっこりと出迎えた女性たちがフィアをどんどん飾っていくのだった。
用意が終わって控室へと移動すると、カイウが待っていたがカイウがフィアの手を取る前にさっとマーティーがフィアの手を取って自分の方へ引き付けた。
「とても美しい装いに、すばらしい輝きだ。
今夜のエスコートをぜひさせてほしいのだが・・・。」
「す、すみません。私こういうパーティーは初めてで、ダンスもきちんと練習していなくて出かける前からカイウさんにエスコートの練習をしてもらっていたので、カイウさん以外の人とは歩けないんです。
本当に、ごめんなさい。」
「そうか・・・初心者に無理をいうのはかわいそうだね。
では、ダンスは僕がお教えするというのはどうかな?
初心者レッスンは得意だよ・・・僕は。」
「あ、そうですね。ではあとで教えていただけますか。」
「OK。楽しみにしているからね。美しい人・・・。」
フィアは体中が熱くてこわばってしまった。
こういうのが社交界のプレイボーイなのか・・・とあせっているとカイウが肩をポンとたたいてきた。
「肩の力を抜けって方が無理そうだね。
手を取るのが遅れて申し訳ない。
で、なんて言われたんだ?」
「最初エスコートをって言われたけれど、お断りしたんです。
でも、ダンスも断るのは空気が赦さないって感じでさすがに断れなくて・・・。」
「いっしょに踊るって言ってしまったんだね。
そりゃ、仕方ないよ。
あの風格とこの場ではいちばんの権力者だからね、きいておくしかないと思う。
とにかく、何か飲み物を口にしたりするときは気をつけて。
君は未成年だし、お酒や薬物入りのものが出されても誰も咎めないような場でもあるからね。
何も飲まないのがいいよ。
喉が乾いたら、俺のところに戻ってくるんだ。いいね。」
「わかりました。」
そして、フィアにはディーナに何を言われても気にしないようにと伝えた。
「大丈夫ですよ。軍でいっしょに働くわけではありませんし・・・。
それより、きちんと栄養をとって働いたあとは必ず休息はとるようにしてくださいよ。
私たちが帰還したら、忙しくなるんですからね。」
「わかってますよ。でも寝つきがどうも悪いです。
やっぱりフィアが見守ってくれてないと、目をずっとつぶっていられないみたいで。
あ、夜のパーティーは適当に。
ドレス姿の写真はカイウにしっかりと撮ってもらって、帰ったら私にくださいね。」
「もう・・・アルミス!」
「残念で仕方がないんです!ドレスを着たあなたとダンスを踊りたかった。
私が同伴ならもうちょっと胸のあいたドレスを選んだのに・・・。」
「アルミス・・・。もう切りますよ。」
「あ、すみません。と、とにかく無事にもどってください。」
「あの・・・1つ教えてほしいんですけど、アルミスってどうして私にもそんな敬語を話すんですか?
ずっと気になっていたの。
基地の中でも、周りのみんなが敬語を使ってるのに、同じように敬語で返してておかしいなって。」
「それはね・・・クセになってしまってるのもあるんですけど・・・私の姉の方針です。」
「お姉さん?」
「ええ、2年前に移動中に事故に巻き込まれて亡くなった姉が生前に感謝することをよく私に話してくれましてね。
姉をどうしても忘れたくなかったので、一人称も『私』に決めたし、敬語はその場の適当なものですけど、ですます調の方が軍の司令官ぽくなくていいかと思いましてね。
ただ、フィアから見てそれが男らしくないとか嫌だったら正すようにしますけど。」
「そんな・・・私はありのままでいいですよ。
敬語でも私でも、命令でもアルミスがアルミスであればいいんです。」
「ああ~~~~もう、やっぱり君は可愛過ぎます!
今すぐ抱きしめたいくらいです。」
「ふふ、じゃ、早く休んでくださいね。」
電話をきるとカイウが苦笑いを浮かべながら、パソコンで仕事をしていた。
「もうちょっとでデータの送信が終わるから、パーティーの準備をしておいで。
メイク室にいけばここのスタッフがすべて手伝ってくれるって言ってたから。」
「はい。・・・あの、カイウさんエスコートお願いしますね。」
「おお、アルミスに代わっての重大な任務だからな。あはははは。」
メイク室ではパーティーに参加する女性たちたくさん、着替えたり、メイクをなおしたりしていた。
フィアもドキドキしながら、担当のスタッフのところへ行くと、にっこりと出迎えた女性たちがフィアをどんどん飾っていくのだった。
用意が終わって控室へと移動すると、カイウが待っていたがカイウがフィアの手を取る前にさっとマーティーがフィアの手を取って自分の方へ引き付けた。
「とても美しい装いに、すばらしい輝きだ。
今夜のエスコートをぜひさせてほしいのだが・・・。」
「す、すみません。私こういうパーティーは初めてで、ダンスもきちんと練習していなくて出かける前からカイウさんにエスコートの練習をしてもらっていたので、カイウさん以外の人とは歩けないんです。
本当に、ごめんなさい。」
「そうか・・・初心者に無理をいうのはかわいそうだね。
では、ダンスは僕がお教えするというのはどうかな?
初心者レッスンは得意だよ・・・僕は。」
「あ、そうですね。ではあとで教えていただけますか。」
「OK。楽しみにしているからね。美しい人・・・。」
フィアは体中が熱くてこわばってしまった。
こういうのが社交界のプレイボーイなのか・・・とあせっているとカイウが肩をポンとたたいてきた。
「肩の力を抜けって方が無理そうだね。
手を取るのが遅れて申し訳ない。
で、なんて言われたんだ?」
「最初エスコートをって言われたけれど、お断りしたんです。
でも、ダンスも断るのは空気が赦さないって感じでさすがに断れなくて・・・。」
「いっしょに踊るって言ってしまったんだね。
そりゃ、仕方ないよ。
あの風格とこの場ではいちばんの権力者だからね、きいておくしかないと思う。
とにかく、何か飲み物を口にしたりするときは気をつけて。
君は未成年だし、お酒や薬物入りのものが出されても誰も咎めないような場でもあるからね。
何も飲まないのがいいよ。
喉が乾いたら、俺のところに戻ってくるんだ。いいね。」
「わかりました。」