お茶の香りのパイロット
アルミスの手にいったん蒼白い光を放つテニスボールくらいの玉が姿を現したが、すぐにまたフィアのお腹へともどっていってしまった。
「なぜ!?・・・あれは確かに私の宝玉。いや、姉の宝玉!
それがどうしてフィアの体内に入ってしまう???
くっ・・・宝玉、待て、もどれ。どういうことなんだ!
フィア?どうした?目をあけるんだ!起きて!」
アルミスの声にフィアが閉じていた目を開けると、フィアの瞳はいつもの深い藍色ではなく、透き通ったマリンブルーの瞳がとてつもなく色っぽくうるんでアルミスを釘づけにした。
「アルミス、私・・・何だかおかしい。
すごく今、アルミスに抱いてほしくて・・・アルミスがほしくなって・・・。」
「フィア・・・だめです。そんなに私を挑発しては・・・いけません。
いけないのに・・・ああっ、すみません、私は我慢できない!
限界です。責任はちゃんととりますから・・・。
うっ・・・あっ・・・」
アルミスの意識がスッとふっとんで、誰かの声で気がついた。
「アルミス・・・やっと自分の宝石を手にしたのだな。」
「あなたはラーガ・・・ですね。
ここまではっきり会話をするのは初めてでしたね。
いつもはうっすらと1つか2つのメッセージしか聞けなかったのに、やっと私も君たちとすらすら会話ができるようになったんですね。」
「おまえにやっと消した記憶をもどす機会がきたな。」
「やはりそういうことだったんですか・・・。さりげなく私の中に開けられた穴はあなたがやったことだったんですか?」
「ああ。そうしなければおまえは消滅してしまったからな。
ことごとく続く身内の死をおまえは乗り越えられなかった。
そして姉が死んでから宝玉を抱いたおまえはついに自殺を試みたのだ。」
「私が自殺・・・!」
「おまえが自殺したら俺も消えるからな。
それで、おまえの一部をきりとって宝玉に封じ、どこともつかぬところへ投げた。」
「それがフィアに当たったというのか?」
「そういうことだ。投げた以上無責任でもいけないので、フィアのことは追っていた。
フィアはすでに宝石を持っていたから、おまえの宝玉まで持てなかったのだ。
だが・・・フィアはおまえが耐えられなかった過去を思春期だったというのに、冷静に見て受け止めた。
そして自ら宝玉を飲みこんだのだ。
ずっと前からフィアはおまえの役に立ちたいと考え、おまえを支えたいと思っていたようだ。
まさか、直接本物に好かれるとまでは思わなかったらしいがな。」
「そうか・・・フィアは私の過去を知っているんですね。
過去だけを知っていた少女か・・・。
それで惹かれあったのか・・・いや違う!
フィアはクールだ。惹かれて恋してどうしようもなくなったのは私だ。
ほんとに宝玉の力はすごいね。」
「バカかおまえは。
おまえの恋愛など宝石とは無関係だ。
普通に・・・いや、異常に一目ぼれしただけだろうが!」
「あ。や・・・っぱり。しかしラーガは素直でいいですね。
私のことをバカ呼ばわりするのはあなたとフィアくらいですよ。」
「勉強バカもバカのうちだ!
だからおまえの求める宝石について教えてやる。
おまえの姉が持っていて変化した宝玉だが、フィアやワガンの宝石からもわかるように、深い悲しみが変化したものだ。
この世界の伝説の隅っこにチラっと書かれていたりもするが、悲しみが引き金になって出来上がった宝石は何よりも幸せを求める。
不幸な人間が幸福を求めるのと同じ考え方だな。」
「なるほど・・・宝石が意思を持っているようですね。」
「ここでダジャレを言えとはいってないぞ。」
「おぉ!?素直に発言したつもりでしたが、ラーガは言葉にひねりがよくきくんですね。
すごい!!」
「何を感心してんだ!
で、話をもどすぞ。
宝石が幸せを求め、宝石の持ち主がその幸せの追求をしたとき我々との絆が深まるのだ。」
「絆って・・・本来あなたは私の一部じゃないですか。
なのに友人みたいに言うんですね。」
「一部でできているのは命でロボットにとっては動力とエネルギーだけだ。
だから、友人扱いをした方がわかりやすいな。
で、俺がおまえと今まで接触が薄かったのはフィアに宝石を託してたせいもあるが、おまえの弱点を探られないためでもある。」
「私の弱点ですか・・・。もしや、私が過去に自殺した経緯とか?」
「ああ、消えゆく命に対しておまえはとても弱い。
つまり優しすぎて戦闘には不向きだ。
なのに、そうは言ってられない立場になってしまった。
すごく心配だった。
だが・・・フィアのおかげで心配はかなりマシになった。
華奢な女の身でどんどん乗り越えて、とうとうアルミス本人までたどりついた。
そんなフィアがアルミスにも勇気と力を与えている。そうだろう?」
「ええ。フィアを守るためなら、敵の中にも飛び込めました。」
「よかったな。だから宝玉はフィアにずっと持っていてもらおう。」
「えっ!!!それは困ります。
さっきみたいにフィアが迫ってきたり、私が彼女を抱こうとしたら閃光がとびまわったら私は狂ってしまいます。
普通の男として愛したいですよ。」
「何を言っとるか!今、おまえがどうなってるかも知らんのか?」
「私がどうかしたんですか?」
「俺たちの会話にどうしてフィアが参加してないか気がつかないのか?」
「なぜ!?・・・あれは確かに私の宝玉。いや、姉の宝玉!
それがどうしてフィアの体内に入ってしまう???
くっ・・・宝玉、待て、もどれ。どういうことなんだ!
フィア?どうした?目をあけるんだ!起きて!」
アルミスの声にフィアが閉じていた目を開けると、フィアの瞳はいつもの深い藍色ではなく、透き通ったマリンブルーの瞳がとてつもなく色っぽくうるんでアルミスを釘づけにした。
「アルミス、私・・・何だかおかしい。
すごく今、アルミスに抱いてほしくて・・・アルミスがほしくなって・・・。」
「フィア・・・だめです。そんなに私を挑発しては・・・いけません。
いけないのに・・・ああっ、すみません、私は我慢できない!
限界です。責任はちゃんととりますから・・・。
うっ・・・あっ・・・」
アルミスの意識がスッとふっとんで、誰かの声で気がついた。
「アルミス・・・やっと自分の宝石を手にしたのだな。」
「あなたはラーガ・・・ですね。
ここまではっきり会話をするのは初めてでしたね。
いつもはうっすらと1つか2つのメッセージしか聞けなかったのに、やっと私も君たちとすらすら会話ができるようになったんですね。」
「おまえにやっと消した記憶をもどす機会がきたな。」
「やはりそういうことだったんですか・・・。さりげなく私の中に開けられた穴はあなたがやったことだったんですか?」
「ああ。そうしなければおまえは消滅してしまったからな。
ことごとく続く身内の死をおまえは乗り越えられなかった。
そして姉が死んでから宝玉を抱いたおまえはついに自殺を試みたのだ。」
「私が自殺・・・!」
「おまえが自殺したら俺も消えるからな。
それで、おまえの一部をきりとって宝玉に封じ、どこともつかぬところへ投げた。」
「それがフィアに当たったというのか?」
「そういうことだ。投げた以上無責任でもいけないので、フィアのことは追っていた。
フィアはすでに宝石を持っていたから、おまえの宝玉まで持てなかったのだ。
だが・・・フィアはおまえが耐えられなかった過去を思春期だったというのに、冷静に見て受け止めた。
そして自ら宝玉を飲みこんだのだ。
ずっと前からフィアはおまえの役に立ちたいと考え、おまえを支えたいと思っていたようだ。
まさか、直接本物に好かれるとまでは思わなかったらしいがな。」
「そうか・・・フィアは私の過去を知っているんですね。
過去だけを知っていた少女か・・・。
それで惹かれあったのか・・・いや違う!
フィアはクールだ。惹かれて恋してどうしようもなくなったのは私だ。
ほんとに宝玉の力はすごいね。」
「バカかおまえは。
おまえの恋愛など宝石とは無関係だ。
普通に・・・いや、異常に一目ぼれしただけだろうが!」
「あ。や・・・っぱり。しかしラーガは素直でいいですね。
私のことをバカ呼ばわりするのはあなたとフィアくらいですよ。」
「勉強バカもバカのうちだ!
だからおまえの求める宝石について教えてやる。
おまえの姉が持っていて変化した宝玉だが、フィアやワガンの宝石からもわかるように、深い悲しみが変化したものだ。
この世界の伝説の隅っこにチラっと書かれていたりもするが、悲しみが引き金になって出来上がった宝石は何よりも幸せを求める。
不幸な人間が幸福を求めるのと同じ考え方だな。」
「なるほど・・・宝石が意思を持っているようですね。」
「ここでダジャレを言えとはいってないぞ。」
「おぉ!?素直に発言したつもりでしたが、ラーガは言葉にひねりがよくきくんですね。
すごい!!」
「何を感心してんだ!
で、話をもどすぞ。
宝石が幸せを求め、宝石の持ち主がその幸せの追求をしたとき我々との絆が深まるのだ。」
「絆って・・・本来あなたは私の一部じゃないですか。
なのに友人みたいに言うんですね。」
「一部でできているのは命でロボットにとっては動力とエネルギーだけだ。
だから、友人扱いをした方がわかりやすいな。
で、俺がおまえと今まで接触が薄かったのはフィアに宝石を託してたせいもあるが、おまえの弱点を探られないためでもある。」
「私の弱点ですか・・・。もしや、私が過去に自殺した経緯とか?」
「ああ、消えゆく命に対しておまえはとても弱い。
つまり優しすぎて戦闘には不向きだ。
なのに、そうは言ってられない立場になってしまった。
すごく心配だった。
だが・・・フィアのおかげで心配はかなりマシになった。
華奢な女の身でどんどん乗り越えて、とうとうアルミス本人までたどりついた。
そんなフィアがアルミスにも勇気と力を与えている。そうだろう?」
「ええ。フィアを守るためなら、敵の中にも飛び込めました。」
「よかったな。だから宝玉はフィアにずっと持っていてもらおう。」
「えっ!!!それは困ります。
さっきみたいにフィアが迫ってきたり、私が彼女を抱こうとしたら閃光がとびまわったら私は狂ってしまいます。
普通の男として愛したいですよ。」
「何を言っとるか!今、おまえがどうなってるかも知らんのか?」
「私がどうかしたんですか?」
「俺たちの会話にどうしてフィアが参加してないか気がつかないのか?」