お茶の香りのパイロット
アフィニにフィアが何か伝えていないか、アルミスは尋ねたがアフィニによるとフィアは現在眠っているか意識がなくなっている状態だと答えた。
「その黒いヤツが途中で暴れられてはいけないと思って眠らせたのかもしれない・・・。」
「マイマスターから何かアクセスがあれば私からラーガに報告します。」
「ああ、アフィニ頼みます。あなただけが頼りな状態ですから。」
基地の格納庫へディッドを運び込んだ後でディーナは泣きながらアルミスにわびた。
「とりかえしのつかないミスをしてすみませんでした。
私、フィアよりも自分の技能を認めてもらいたくてあせっていました。
あせって、自分の力を過信した結果が・・・アルミス様を悲しませる結果になって・・・。
私・・・喜んでもらいたかったのに・・・ごめんなさい。ほんとにごめんなさい!」
「ディーナ・・・君だけのせいじゃない。
他のスタッフにディッドを外に出さないように念を押さなかったのも私のミスだし、結局私はフィアをひとりアフィニがいるからって油断して置き去りにしていたのですから同罪です。
昨日は偉そうに守るからなんて言って、本当の嘘つきは・・・私なのに。」
「おいおい、みんなそろってへこんでる場合じゃないだろ!
正体不明の黒い翼と、白いドール軍団それに親玉の機動型ロボを捜してつぶしていくしかないんだ。」
ナオヤの怒鳴り声にアルミスは黙ったままディッドの整備へと行ってしまった。
「アルミス様はとても平常心にはもどれそうにありませんね。」
「ああ。アルミスの最大の欠点でありトラウマでもあるんだ・・・ワガンは知らないと思うがアルミスは身内の不幸が続いて自分がとても小さい存在になってしまった。
もともと優しすぎて戦える王子だなんて誰も思わなかったんだけどな、それを克服するカギを持っていたのがフィアだった。
アルミスの悲しみの宝石はフィアが体内でずっと温めていたからこそ、ここへたどりついてラーガの目に留まったというわけさ。」
「そんなことがあったなんて・・・それで僕の宝石とも強い反応があったんですね。
それにしても黒い翼は何者か調べなくてはいけませんね。
僕はヤーガンの整備の間に情報をかき集めてみます。」
「頼むぞ、ワガン。
この状況でいちばん冷静で頼りになりそうなのは、おまえさんだな。
機動型ヤーガンの扱いも抜群だったし、がんばってくれ!」
「了解!」
ワガンがヤーガンの整備をする裏側の格納庫で、アルミスはただ、黙々とディッドの最終調整をして、動かなくなった脚の部分を調べていた。
「ディッド・・・君を早く仕上げていれば、フィアを守ってくれたんだろうか・・・。」
アルミスがため息をついて、ディッドの膝の関節にあたる部分を補強し始めたときだった。
「私がヤーガンくらいの仕上がりだったならドールを倒せたはずだ。
しかし・・・黒い翼には勝てない。
黒い翼セイリールは強い。」
「ディッド!!!!君は黒い翼と接触したんですね。
教えてください。セイリールとは何です?
誰が乗っていたのですか?」
「言葉で表すのはディッドの言語能力データではつらい。
セイリールはパイロットがそう呼んでいた。
ドールが実弾攻撃をしてきたとき、セイリールがすべて跳ね返してくれてディッドとアフィアは守られた。
フィアはコクピットから出て私を見てくれてたから殺されるところだった。
ルイがフィアを抱えてセイリールに乗せて逃げた。」
「ルイ?パイロットはルイという名前なのですか?」
「セイリールはルイと呼んでいた。
ルイはたぶん優しい。
私とアフィアにドールの攻撃はもうないから仲間に拾ってもらいなさいと言っていた。
アフィアがマイマスターを連れて行かないでと頼んだ。
ルイはアフィアに別のマスターを捜してもらうように言った。」
「ええっ!じゃ・・・フィアは返さないつもりなのか?」
「わからない。ルイはフィアにひとりで乗ってはいけないと声をかけていた。」
「それはどこで会話していたこと?」
「セイリールに乗ってから話してた。コクピット内音声をジャックしてた。」
「よくやってくれたね、ディッド。そうか・・・ディーナは情報処理能力がすこぶる高かったから・・・。
ってことはフィアにはアフィアのパイロットは荷が重かったということかな。」
「わからない・・・ルイはいっしょに居ようと言っていた。
そのあと離れて音声拾えなくなった。」
「ディッド、ありがとう。
傷つきながらも分析してくれて偉いですね、さすがですよ。」
「その黒いヤツが途中で暴れられてはいけないと思って眠らせたのかもしれない・・・。」
「マイマスターから何かアクセスがあれば私からラーガに報告します。」
「ああ、アフィニ頼みます。あなただけが頼りな状態ですから。」
基地の格納庫へディッドを運び込んだ後でディーナは泣きながらアルミスにわびた。
「とりかえしのつかないミスをしてすみませんでした。
私、フィアよりも自分の技能を認めてもらいたくてあせっていました。
あせって、自分の力を過信した結果が・・・アルミス様を悲しませる結果になって・・・。
私・・・喜んでもらいたかったのに・・・ごめんなさい。ほんとにごめんなさい!」
「ディーナ・・・君だけのせいじゃない。
他のスタッフにディッドを外に出さないように念を押さなかったのも私のミスだし、結局私はフィアをひとりアフィニがいるからって油断して置き去りにしていたのですから同罪です。
昨日は偉そうに守るからなんて言って、本当の嘘つきは・・・私なのに。」
「おいおい、みんなそろってへこんでる場合じゃないだろ!
正体不明の黒い翼と、白いドール軍団それに親玉の機動型ロボを捜してつぶしていくしかないんだ。」
ナオヤの怒鳴り声にアルミスは黙ったままディッドの整備へと行ってしまった。
「アルミス様はとても平常心にはもどれそうにありませんね。」
「ああ。アルミスの最大の欠点でありトラウマでもあるんだ・・・ワガンは知らないと思うがアルミスは身内の不幸が続いて自分がとても小さい存在になってしまった。
もともと優しすぎて戦える王子だなんて誰も思わなかったんだけどな、それを克服するカギを持っていたのがフィアだった。
アルミスの悲しみの宝石はフィアが体内でずっと温めていたからこそ、ここへたどりついてラーガの目に留まったというわけさ。」
「そんなことがあったなんて・・・それで僕の宝石とも強い反応があったんですね。
それにしても黒い翼は何者か調べなくてはいけませんね。
僕はヤーガンの整備の間に情報をかき集めてみます。」
「頼むぞ、ワガン。
この状況でいちばん冷静で頼りになりそうなのは、おまえさんだな。
機動型ヤーガンの扱いも抜群だったし、がんばってくれ!」
「了解!」
ワガンがヤーガンの整備をする裏側の格納庫で、アルミスはただ、黙々とディッドの最終調整をして、動かなくなった脚の部分を調べていた。
「ディッド・・・君を早く仕上げていれば、フィアを守ってくれたんだろうか・・・。」
アルミスがため息をついて、ディッドの膝の関節にあたる部分を補強し始めたときだった。
「私がヤーガンくらいの仕上がりだったならドールを倒せたはずだ。
しかし・・・黒い翼には勝てない。
黒い翼セイリールは強い。」
「ディッド!!!!君は黒い翼と接触したんですね。
教えてください。セイリールとは何です?
誰が乗っていたのですか?」
「言葉で表すのはディッドの言語能力データではつらい。
セイリールはパイロットがそう呼んでいた。
ドールが実弾攻撃をしてきたとき、セイリールがすべて跳ね返してくれてディッドとアフィアは守られた。
フィアはコクピットから出て私を見てくれてたから殺されるところだった。
ルイがフィアを抱えてセイリールに乗せて逃げた。」
「ルイ?パイロットはルイという名前なのですか?」
「セイリールはルイと呼んでいた。
ルイはたぶん優しい。
私とアフィアにドールの攻撃はもうないから仲間に拾ってもらいなさいと言っていた。
アフィアがマイマスターを連れて行かないでと頼んだ。
ルイはアフィアに別のマスターを捜してもらうように言った。」
「ええっ!じゃ・・・フィアは返さないつもりなのか?」
「わからない。ルイはフィアにひとりで乗ってはいけないと声をかけていた。」
「それはどこで会話していたこと?」
「セイリールに乗ってから話してた。コクピット内音声をジャックしてた。」
「よくやってくれたね、ディッド。そうか・・・ディーナは情報処理能力がすこぶる高かったから・・・。
ってことはフィアにはアフィアのパイロットは荷が重かったということかな。」
「わからない・・・ルイはいっしょに居ようと言っていた。
そのあと離れて音声拾えなくなった。」
「ディッド、ありがとう。
傷つきながらも分析してくれて偉いですね、さすがですよ。」