お茶の香りのパイロット
喫茶店近くの空き地でルイリードは小さな結界を張った。
「これでこころおきなくできるな。来い、アルミス!」
「はぁーーーーーーあああ!!!」
ルイリードとアルミスはお互いのパンチがヒットし合い、すぐにボロボロになっていった。
「はぁはぁ・・・はぁ。何のマネだ。
この前はロボットをいとも簡単につぶしたおまえが、どうして手加減してる?」
「思い出してほしいからだ。」
「な、何を?」
「おまえは誰の子か思い出せ!」
「俺はウィウス国王と、メイリアの息子だ。」
「ウィウス国王だと?ふっ・・・まんまと術中にはまりおって。
おまえの父は国王なんかじゃない。
代々産婦人科として、たくさんの子どもを世に送り出してきた仕事を誇りにしていた父だ!」
「産婦人科ぁ?何の話だ・・・。そんな人は父親などでは・・・な・・い?
赤ちゃんの声・・・メイリア・・・?あっ・・・頭が痛い!」
アルミスの頭を駆け巡った回想・・・
(「兄ちゃん、どうしてうちには女の人がいっぱい訪ねてくるの?」
「母ちゃんみたいに赤ん坊を産むためにやってきてるんだ。
おまえ、ちょろちょろ動き回って妊婦さんにぶち当たったり、転ばせたりするんじゃないぞ!」
「うん、元気な赤ちゃんが産まれてほしいから僕、みんなが帰るまでおとなしくする。」)
(なんだ・・・このビジョンは・・・。それに何か手にギスギスするものが・・・
あっ、ああ・・・手が手が痛む・・・うう・・・あっ!)
「うわぁああああーーーー!」
「そうだ、力を、今こそ力を出すんだあーーーーー!弟よ!」
「うわぁああああーーー!」
パチッ、パチッとアルミスの両手から小さな火花が散ったあと、アルミスは自らの姿をサッと消したかと思うとルイリードの懐に拳を突っ込んで、後ろへとふっとばした。
「そうだ・・・できたじゃないか・・・弟。・・・アルミス。」
「にいさん・・・思い出した。思い出したよ・・・ルイ兄さん。
僕の本当の父親は兄さんと同じ、産婦人科の医者をしてた。
母さんが僕を連れてお城へとあがったんだ。
そして僕は母の連れ子として入ったからいじめられたんだ。
そんなとき・・・ナイア王女・・・姉さんが僕を守ってくれた。優しくしてくれた。
なのに亡くなってしまって・・・。」
「母さんはやっぱり、おまえのことはほったらかしだったんだな。
父さんと俺をゴミのように言い放って出ていった冷たい女だから。」
「兄さん・・・今まで気づかずにごめん。
だけど、フィアを僕から連れ去るなんて、ひどいよ。」
「すまない。でも、俺はフィアをずっと前から愛していたからな。」
「フィアを知っていたの?」
「おまえ思い出さないのか?フィアは俺たちの村で生まれた子なんだぞ。
おまえは、ちっちゃくてかわいいってかわいいを何度も言ってた。
俺もかわいいと思った。
フィアの両親は早くに亡くなって、寄宿舎生活してしまったから、すぐに離れてしまったけど、俺はときどきフィアの様子を見にいったんだ。
だんだんきれいになっていて、ドキドキしたものだ。」
「そんなにフィアのことを・・・思ってたなんて・・・知らなかった。
僕は、悲しみの宝石がきっかけだとばかり思ってて・・・。
それで、兄さんは僕の記憶を呼び覚ますためにここへきたわけじゃないんだよね。」
「ああ、俺は・・・これからおまえにたくさん伝えることがあるから来たんだ。
もうそろそろ、俺の命が終わる前にな。
だからこの前も手荒なことをしたが、ラーガにも準備を施したかったから強引なやり方だったが持ち帰らせてもらったんだ。
記憶のない、おまえに何を話しても攻撃されるだろうと思ってたしな。」
「そうだったのか・・・。で、命が終わるとか・・・どういうこと?」
「これでこころおきなくできるな。来い、アルミス!」
「はぁーーーーーーあああ!!!」
ルイリードとアルミスはお互いのパンチがヒットし合い、すぐにボロボロになっていった。
「はぁはぁ・・・はぁ。何のマネだ。
この前はロボットをいとも簡単につぶしたおまえが、どうして手加減してる?」
「思い出してほしいからだ。」
「な、何を?」
「おまえは誰の子か思い出せ!」
「俺はウィウス国王と、メイリアの息子だ。」
「ウィウス国王だと?ふっ・・・まんまと術中にはまりおって。
おまえの父は国王なんかじゃない。
代々産婦人科として、たくさんの子どもを世に送り出してきた仕事を誇りにしていた父だ!」
「産婦人科ぁ?何の話だ・・・。そんな人は父親などでは・・・な・・い?
赤ちゃんの声・・・メイリア・・・?あっ・・・頭が痛い!」
アルミスの頭を駆け巡った回想・・・
(「兄ちゃん、どうしてうちには女の人がいっぱい訪ねてくるの?」
「母ちゃんみたいに赤ん坊を産むためにやってきてるんだ。
おまえ、ちょろちょろ動き回って妊婦さんにぶち当たったり、転ばせたりするんじゃないぞ!」
「うん、元気な赤ちゃんが産まれてほしいから僕、みんなが帰るまでおとなしくする。」)
(なんだ・・・このビジョンは・・・。それに何か手にギスギスするものが・・・
あっ、ああ・・・手が手が痛む・・・うう・・・あっ!)
「うわぁああああーーーー!」
「そうだ、力を、今こそ力を出すんだあーーーーー!弟よ!」
「うわぁああああーーー!」
パチッ、パチッとアルミスの両手から小さな火花が散ったあと、アルミスは自らの姿をサッと消したかと思うとルイリードの懐に拳を突っ込んで、後ろへとふっとばした。
「そうだ・・・できたじゃないか・・・弟。・・・アルミス。」
「にいさん・・・思い出した。思い出したよ・・・ルイ兄さん。
僕の本当の父親は兄さんと同じ、産婦人科の医者をしてた。
母さんが僕を連れてお城へとあがったんだ。
そして僕は母の連れ子として入ったからいじめられたんだ。
そんなとき・・・ナイア王女・・・姉さんが僕を守ってくれた。優しくしてくれた。
なのに亡くなってしまって・・・。」
「母さんはやっぱり、おまえのことはほったらかしだったんだな。
父さんと俺をゴミのように言い放って出ていった冷たい女だから。」
「兄さん・・・今まで気づかずにごめん。
だけど、フィアを僕から連れ去るなんて、ひどいよ。」
「すまない。でも、俺はフィアをずっと前から愛していたからな。」
「フィアを知っていたの?」
「おまえ思い出さないのか?フィアは俺たちの村で生まれた子なんだぞ。
おまえは、ちっちゃくてかわいいってかわいいを何度も言ってた。
俺もかわいいと思った。
フィアの両親は早くに亡くなって、寄宿舎生活してしまったから、すぐに離れてしまったけど、俺はときどきフィアの様子を見にいったんだ。
だんだんきれいになっていて、ドキドキしたものだ。」
「そんなにフィアのことを・・・思ってたなんて・・・知らなかった。
僕は、悲しみの宝石がきっかけだとばかり思ってて・・・。
それで、兄さんは僕の記憶を呼び覚ますためにここへきたわけじゃないんだよね。」
「ああ、俺は・・・これからおまえにたくさん伝えることがあるから来たんだ。
もうそろそろ、俺の命が終わる前にな。
だからこの前も手荒なことをしたが、ラーガにも準備を施したかったから強引なやり方だったが持ち帰らせてもらったんだ。
記憶のない、おまえに何を話しても攻撃されるだろうと思ってたしな。」
「そうだったのか・・・。で、命が終わるとか・・・どういうこと?」