お茶の香りのパイロット
鎮火するのはわりと早かったが、熱がくすぶる第一工場に、アフィニに乗ったアルミスがやってきて惨状を見つめる。
「ルイ・・・アブリールは保護したよ。
君のことだから、何かお土産でも置いてくれてるような気がして、やってきたけれど・・・君はどこで最期のスイッチを押したのだろうか?
不思議なんだけれど、私は涙が流れないんだ。
血をわけた兄弟なのに、短い運命だとわかっていたのに悲しみよりも、そこに君がいるような気がする。
手を差し伸べればほら・・・そこで怒鳴っているような気がするんだ。」
キラーーーーーーン!
「この輝きは?ルイ・・・・!!」
アルミスが上空から見つけた輝きの場所へ降りていってみると、黒い宝石なのに白い輝きを放つ宝玉があった。
『フィア、ルイフィス、アルミス・・・愛している。』
「ルイ・・・兄さん。ルイリーーーードぉおおおお!!!
これがセイリールに残した兄さんの魂なんだね。
私はここで約束する。
優しすぎるといわれてたアルミスはしばらく封印するよ。
悪魔と神を従えて、隠れた大きな敵を討伐しよう。
そして、必ず、国王の父と産婦人科医の父と兄が願った平和をとりもどすからね。」
それからのアルミスはルイリードの遺してくれた設計図と指示書どおりに金属塊のラーガと義父である国王の愛機だったアブリール、そしてセイリールとルイリードの魂を使って新しいロボットの開発に没頭するのだった。
「アルミス、そろそろ食事の時間よ。」
「ん?・・・ああ、すぐ行くよ。」
その言葉のやりとりがもう10回は続いている。
「食事くらいきちんととりなさいよ!!
食事と入浴くらいはきちんとすませるって約束だったから、セイリールの情報を提供したんだから!」
「あ、わかったわかった・・・ごめん。
フィアに逆らうことはできないよ。
今の情勢からしても、つい入り込んでしまうんだが・・・。
あせってもまだまだやらなければならないことは山積みなのに。」
「工場をつぶしたというのに、どれだけのドールが増えれば気がすむのかしらね。」
「大きな戦争の後だからこそ、アーティラスのやり方が効果的ともいえるんです。」
「もう、ハイエナ状態ってことね。
だけど・・・アーティラスだけは許せない!
ルイフィスだってわかってるわ。
父の体と命を奪った敵だってことくらい・・・。」
「あのさ・・・フィア。
ルイリードの指示書によると、私がセイラーガのパイロットになったら君とルイフィスがサブパイロットとして同乗すると書いてあるんだけれど・・・。
ほんとにかまわないのかい?
いちばん子育てが大変な時期なのに、この私に命がけでつきあってくれるなんて。」
「これは私とルイフィスの運命だから。
アルミスだって、私のような未亡人を引き受けてしまって嫌なんじゃ・・・。」
「そんなわけない!
嫌だったら出産のときに立ち会ったりしないよ。
私の記憶が欠落していたときに、君がルイの妻になったと知ったときはすごくショックで、裏切られたのだと思った。
でも、すべての事情を知ってしまったら、君はルイといっしょにいるべきだと思ったんだ。
小さい頃から、憧れて育った兄だし彼の君を見る目が、あまりに愛情深くて開発バカだった私は何をやっていたのか、反省してしまったよ。」
「アルミス・・・ごめんなさい・・・。
あなたの気持ちをわかっていたのに、私はルイを愛しました。
なのにあなたは・・・再び私を・・・いくらルイの願ったとおりとはいえ、あなたの気持ちはどうなってしまうんだろうって申し訳ない気持ちでいっぱいです。」
「じゃ、私の奥さんになってください。
申し訳ないと思うなら、ぜひなってください。」
「アルミス・・・あなたがそう思ってくれるのなら・・・私は・・・私・・・ほんとにうれしい。」
「フィア・・・。」
「ルイ・・・アブリールは保護したよ。
君のことだから、何かお土産でも置いてくれてるような気がして、やってきたけれど・・・君はどこで最期のスイッチを押したのだろうか?
不思議なんだけれど、私は涙が流れないんだ。
血をわけた兄弟なのに、短い運命だとわかっていたのに悲しみよりも、そこに君がいるような気がする。
手を差し伸べればほら・・・そこで怒鳴っているような気がするんだ。」
キラーーーーーーン!
「この輝きは?ルイ・・・・!!」
アルミスが上空から見つけた輝きの場所へ降りていってみると、黒い宝石なのに白い輝きを放つ宝玉があった。
『フィア、ルイフィス、アルミス・・・愛している。』
「ルイ・・・兄さん。ルイリーーーードぉおおおお!!!
これがセイリールに残した兄さんの魂なんだね。
私はここで約束する。
優しすぎるといわれてたアルミスはしばらく封印するよ。
悪魔と神を従えて、隠れた大きな敵を討伐しよう。
そして、必ず、国王の父と産婦人科医の父と兄が願った平和をとりもどすからね。」
それからのアルミスはルイリードの遺してくれた設計図と指示書どおりに金属塊のラーガと義父である国王の愛機だったアブリール、そしてセイリールとルイリードの魂を使って新しいロボットの開発に没頭するのだった。
「アルミス、そろそろ食事の時間よ。」
「ん?・・・ああ、すぐ行くよ。」
その言葉のやりとりがもう10回は続いている。
「食事くらいきちんととりなさいよ!!
食事と入浴くらいはきちんとすませるって約束だったから、セイリールの情報を提供したんだから!」
「あ、わかったわかった・・・ごめん。
フィアに逆らうことはできないよ。
今の情勢からしても、つい入り込んでしまうんだが・・・。
あせってもまだまだやらなければならないことは山積みなのに。」
「工場をつぶしたというのに、どれだけのドールが増えれば気がすむのかしらね。」
「大きな戦争の後だからこそ、アーティラスのやり方が効果的ともいえるんです。」
「もう、ハイエナ状態ってことね。
だけど・・・アーティラスだけは許せない!
ルイフィスだってわかってるわ。
父の体と命を奪った敵だってことくらい・・・。」
「あのさ・・・フィア。
ルイリードの指示書によると、私がセイラーガのパイロットになったら君とルイフィスがサブパイロットとして同乗すると書いてあるんだけれど・・・。
ほんとにかまわないのかい?
いちばん子育てが大変な時期なのに、この私に命がけでつきあってくれるなんて。」
「これは私とルイフィスの運命だから。
アルミスだって、私のような未亡人を引き受けてしまって嫌なんじゃ・・・。」
「そんなわけない!
嫌だったら出産のときに立ち会ったりしないよ。
私の記憶が欠落していたときに、君がルイの妻になったと知ったときはすごくショックで、裏切られたのだと思った。
でも、すべての事情を知ってしまったら、君はルイといっしょにいるべきだと思ったんだ。
小さい頃から、憧れて育った兄だし彼の君を見る目が、あまりに愛情深くて開発バカだった私は何をやっていたのか、反省してしまったよ。」
「アルミス・・・ごめんなさい・・・。
あなたの気持ちをわかっていたのに、私はルイを愛しました。
なのにあなたは・・・再び私を・・・いくらルイの願ったとおりとはいえ、あなたの気持ちはどうなってしまうんだろうって申し訳ない気持ちでいっぱいです。」
「じゃ、私の奥さんになってください。
申し訳ないと思うなら、ぜひなってください。」
「アルミス・・・あなたがそう思ってくれるのなら・・・私は・・・私・・・ほんとにうれしい。」
「フィア・・・。」