お茶の香りのパイロット
2人が格納庫へともどるとクラッカーがパン!パン!と飛び交い、スタッフたちが笑顔で迎えた。
中でも意外だったのは、アルミスがらみでフィアを嫌っていたディーナがルイフィスを抱っこしながらうれしそうにしている姿だった。
「フィア、あなたは当分、アルミスとセイラーガの開発だの調整だの結婚式だのって忙しいでしょ。
だから私がルイの面倒をみてあげるわ。
ルイってとってもお利口でかわいいんだもの・・・私の後を追ってくる姿なんて・・・もうかわいいったらありゃしない!
私のかわいい王子様よ。」
「ディーナってもしかして、子ども大好き?」
「ええ、うちの親戚って兄弟が多いとこが多かったんだけど、私は兄と2人だけの兄弟だったでしょ。
小さな子が下にいるっていうのがすごくうらやましかったの。
そもそも私が軍に入ったきっかけもね、小さな子どもたちが戦争のせいで泣かされるのが我慢できなかったからなのよ。
戦争が終結するかと思いきや、謎のドール量産があって、元の国々で活躍していた大物政治家や経済界のお偉い人たちが破壊と暗殺でみんないなくなっていって・・・このままじゃ、女が安心して子どもを産んで育てられるどころじゃなくなっちゃうわ。」
「攻撃や破壊活動がなくても守ってもらえないと子育てなんてできないのに、この状態じゃ・・・絶対いけないって夫のルイがずっと言ってた。
悲しんでなんていられない、がんばらないと!
でも、ディーナ・・・あなたも戦わないといけないんだから、子守りはほどほどにね。」
「大丈夫よ。ルイといっしょに寝るもの。ふふっ・・・。
きゃあ!私の手をにぎったわ。もう、まだ赤ちゃんなのにもうプレイボーイなのね。
しゃべってくれるのが楽しみだわ。
どんなふうに口説いてくれるのかしら・・・。」
「おい・・・ディーナ・・・。」
「きっと奥様方に大人気のリアンティル先生の素質を受け継いでいるのかもしれないわね。
あはは。
ディーナにルイをお願いして、私たちは早くセイリールとラーガの合成に取り掛かりましょう。」
「そうだね。さてと・・・セイリールは私の魔力次第で成長するということだったので、食事をすませて体を少し休ませてからがんばることにします。
フィアは先にアブリールのチェックをしておいてください。」
「ええ。」
「おいおい、おまえら・・・やっと夫婦になるっていうのに色気抜きのメカいじりか?
とくにアルミスはもうちょっと・・・兄貴を見習ったらどうだ?」
ナオヤがアルミスを指で突っつきながらつぶやいた。
「兄さんを見習ってますけど・・・何か?」
「真面目に仕事するのを見習うのもだがなぁ・・・ほら。
ルイリードは戦ってる間にも、医者やってたり、フィニを妻に母にってやるべきことをいろいろやってたじゃないか・・・なぁ?
だから、そういうのをアルミスにも見習ってほしいんだよ。俺は!
フィアだって、待ってるんじゃないかなぁなんて・・・。」
「あ・・・まぁ・・・まだプロポーズしたばかりだし・・・近いうちに・・・だね。」
「また、かっさらわれたなんていうドジ踏むなよ!」
「わかってますよ。今度はコクピット内もいつもいっしょです。」
「アルミスはそのくらいの方がいい。
俺は、伴侶がいないから、ずっといっしょにいる女はめんどくさいけどな。あははは。」
その後アルミスは休憩後、セイリールの宝玉をアブリールの前に置き、ラーガの金属塊をアブリールの両手に抱かせるようにして、呪文を唱え始めた。
(ルイ、君がやっていた魔力開放の仕上げをやるよ。
初めてだから、力を貸してくれ・・・。)
「セイ、セイ・・・ウィール、レイ、レイ・・・ウィン・・・」
(セイラーガの図面をイメージして、アブリールの尊き威厳と王の風格を抱き、ルイリードの強さと優しさを内に・・・そして私の願いをすべてここに・・・。)
ピカッ!ゴォオオオオ!ドドーーーン!
「な、何が起きた?・・・アルミス!!!大丈夫か?」
ナオヤたち整備スタッフが慌ててアルミスのところへ駆けつけると、そこにはセイリールの2回りほど巨大なロボットが存在していた。
「なっ・・・なんだぁ!用意した金属量をはるかに超えてるじゃねえか!
なんだこりゃ?」
「これが、私たちの高機動型魔術可変ロボ、セイラーガです。
私の化学と魔法の力のすべてです。
たぁあーーー!」
20m以上も高いセイラーガの頭上から、飛び降りてきたアルミスがふわりと地面に着地してそう言った。
「いつのまに、そんなスー○ーマンみたいな男になっちゃったんだ?
こりゃ、おどろいた!!」
「これが魔力を開放した結果ですよ。
母に封じられていた私の魔力です。
王様に気に入られるためと先妻の子のアーティラスを刺激しないために私の能力を催眠術や法術によって封じたんです。
でも、ルイリードがその封印を解く鍵をくれました。
そして・・・さっき私は面白いビジョンを見ましたよ。」
中でも意外だったのは、アルミスがらみでフィアを嫌っていたディーナがルイフィスを抱っこしながらうれしそうにしている姿だった。
「フィア、あなたは当分、アルミスとセイラーガの開発だの調整だの結婚式だのって忙しいでしょ。
だから私がルイの面倒をみてあげるわ。
ルイってとってもお利口でかわいいんだもの・・・私の後を追ってくる姿なんて・・・もうかわいいったらありゃしない!
私のかわいい王子様よ。」
「ディーナってもしかして、子ども大好き?」
「ええ、うちの親戚って兄弟が多いとこが多かったんだけど、私は兄と2人だけの兄弟だったでしょ。
小さな子が下にいるっていうのがすごくうらやましかったの。
そもそも私が軍に入ったきっかけもね、小さな子どもたちが戦争のせいで泣かされるのが我慢できなかったからなのよ。
戦争が終結するかと思いきや、謎のドール量産があって、元の国々で活躍していた大物政治家や経済界のお偉い人たちが破壊と暗殺でみんないなくなっていって・・・このままじゃ、女が安心して子どもを産んで育てられるどころじゃなくなっちゃうわ。」
「攻撃や破壊活動がなくても守ってもらえないと子育てなんてできないのに、この状態じゃ・・・絶対いけないって夫のルイがずっと言ってた。
悲しんでなんていられない、がんばらないと!
でも、ディーナ・・・あなたも戦わないといけないんだから、子守りはほどほどにね。」
「大丈夫よ。ルイといっしょに寝るもの。ふふっ・・・。
きゃあ!私の手をにぎったわ。もう、まだ赤ちゃんなのにもうプレイボーイなのね。
しゃべってくれるのが楽しみだわ。
どんなふうに口説いてくれるのかしら・・・。」
「おい・・・ディーナ・・・。」
「きっと奥様方に大人気のリアンティル先生の素質を受け継いでいるのかもしれないわね。
あはは。
ディーナにルイをお願いして、私たちは早くセイリールとラーガの合成に取り掛かりましょう。」
「そうだね。さてと・・・セイリールは私の魔力次第で成長するということだったので、食事をすませて体を少し休ませてからがんばることにします。
フィアは先にアブリールのチェックをしておいてください。」
「ええ。」
「おいおい、おまえら・・・やっと夫婦になるっていうのに色気抜きのメカいじりか?
とくにアルミスはもうちょっと・・・兄貴を見習ったらどうだ?」
ナオヤがアルミスを指で突っつきながらつぶやいた。
「兄さんを見習ってますけど・・・何か?」
「真面目に仕事するのを見習うのもだがなぁ・・・ほら。
ルイリードは戦ってる間にも、医者やってたり、フィニを妻に母にってやるべきことをいろいろやってたじゃないか・・・なぁ?
だから、そういうのをアルミスにも見習ってほしいんだよ。俺は!
フィアだって、待ってるんじゃないかなぁなんて・・・。」
「あ・・・まぁ・・・まだプロポーズしたばかりだし・・・近いうちに・・・だね。」
「また、かっさらわれたなんていうドジ踏むなよ!」
「わかってますよ。今度はコクピット内もいつもいっしょです。」
「アルミスはそのくらいの方がいい。
俺は、伴侶がいないから、ずっといっしょにいる女はめんどくさいけどな。あははは。」
その後アルミスは休憩後、セイリールの宝玉をアブリールの前に置き、ラーガの金属塊をアブリールの両手に抱かせるようにして、呪文を唱え始めた。
(ルイ、君がやっていた魔力開放の仕上げをやるよ。
初めてだから、力を貸してくれ・・・。)
「セイ、セイ・・・ウィール、レイ、レイ・・・ウィン・・・」
(セイラーガの図面をイメージして、アブリールの尊き威厳と王の風格を抱き、ルイリードの強さと優しさを内に・・・そして私の願いをすべてここに・・・。)
ピカッ!ゴォオオオオ!ドドーーーン!
「な、何が起きた?・・・アルミス!!!大丈夫か?」
ナオヤたち整備スタッフが慌ててアルミスのところへ駆けつけると、そこにはセイリールの2回りほど巨大なロボットが存在していた。
「なっ・・・なんだぁ!用意した金属量をはるかに超えてるじゃねえか!
なんだこりゃ?」
「これが、私たちの高機動型魔術可変ロボ、セイラーガです。
私の化学と魔法の力のすべてです。
たぁあーーー!」
20m以上も高いセイラーガの頭上から、飛び降りてきたアルミスがふわりと地面に着地してそう言った。
「いつのまに、そんなスー○ーマンみたいな男になっちゃったんだ?
こりゃ、おどろいた!!」
「これが魔力を開放した結果ですよ。
母に封じられていた私の魔力です。
王様に気に入られるためと先妻の子のアーティラスを刺激しないために私の能力を催眠術や法術によって封じたんです。
でも、ルイリードがその封印を解く鍵をくれました。
そして・・・さっき私は面白いビジョンを見ましたよ。」