お茶の香りのパイロット
次々に客のコーヒーを用意していくアルミスを見ながら、フィニは胸がドキッとした。
(なんか王子様がサラッと気になることを言ったわ。
まさか、私は特別なの?
私はどきどきしてるのに、どうしてこんな平然と仕事こなしてるの?ずるいわ。)
「マスター、レモンティー3つにタルト3つ追加ですよ~♪」
「はーい。リンダさん、コーヒーよろしく~!」
「はいなっ!」
「すご~い、リンダってほんとに看板娘だわっ。
私もがんばらなきゃ!」
フィアはアルミスにカップとソーサーを温める作業を頼まれて用意したり、洗いものや掃除の仕方を初日におぼえた。
「疲れたかな?」
「い、いえ。マスターがお店も設計も、パイロットまでやっているのに、私が暇なんてありえません!」
「いや、マスターじゃなくてアルミスで・・・って言っても、だんだん言いにくそうになってるのかなぁ。」
「私は王子を尊敬します。お料理までこなすなんてすごいです。」
「いや・・・王子はやめてほしいんだけど。」
「じゃ、アルミス様ってリンダと同じように呼ばせてください。」
「アルミスって呼び捨てにしてほしいのになぁ。
もう、呼び方は王子以外ならなんでもいいですよ・・・。
ここの片付けと掃除はスタッフメンバーに任せて、フィアは私についてきてください。
本来のトレーニングをしましょう。」
「トレーニングですか?」
アルミスについて行くと、地下にトレーニングルームがあって2人はジャージに着替えてランニングを始めた。
「ウソみたい!さっきあれだけ労働してたあとでトレーニングしておられるんですか?」
「おかしいかな?これでもパイロットなんだけど。」
「いえ、すごすぎます。」
「軍での訓練に比べればぜんぜんあまいでしょう?」
「まぁ、軍では戦いばかりを学びますから。
それでも、1日中体を動かしているわけじゃありませんし、戦術の勉強などしていますし。
国の歴史とか敵の重要人物の話とか・・・聞いたり。」
「じゃ、そろそろその経験の成果をみせてもらいましょうかね。
ここで、私相手に体術をかけてきてください。」
「そ、そんな・・・。」
「まさか、女性同士でばかり戦っていたわけじゃないんですよね。
教官や対戦相手は男性の場合もあったんでしょ?」
「はい。もちろんそうなんですけど・・・でも・・・アルミス様相手にそんな・・・」
「あれ、私はなめられているのかな?
このとおり、戦いをしている男なんで、手加減しなくていいですから。どうぞ。」
「そんなに言うなら・・・いきますよ。
フン!・・・・・はぁーーーーーーータァアアアアアアア!!」
「うわっ!おっと・・・」
「そんな避け方では怪我をしてしまいますよ。
次はとらえます。ハァーーーーーーッ、ヤアアアアアアア!」
「狙いはいいですが・・・ハァッ!フッ!!」
「きゃああああああ!!!」
フィアはアルミスの胸にするどい蹴りを入れるつもりだったが、一瞬でアルミスの体が消えフィアはお姫様だっこされてしまった。
バチーーーーーン!!!
「いたっ・・・」
「その余裕は命取りです!王子様・・・私は格納庫へ行きます。」
「はぁ・・・」
「ワハハハハハ。平手打ちを食らった王子はカタナシですな。」
「ジナフか・・・。すっかり嫌われてしまいました。」
「そんなことはございませんぞ。
女心は複雑ですからな、あれははずかしがっとるんです。
技が完全にはずされたショックもあっただろうし、あの娘は男に抱っこなどされたことがないのでしょう?」
「たぶんね。」
「ふはははは。罪作りですな。
当分、アルミス様を避けるでしょうな。
だがあの眼は・・・かなり意識しとりますよ。ワシの見立ては絶対ですからな。あはは。」
「そうなのか?意識してくれてる・・・のかな。
けど、確かに彼女のプライドは傷つけてしまったなぁ・・・はぁ。」
(なんか王子様がサラッと気になることを言ったわ。
まさか、私は特別なの?
私はどきどきしてるのに、どうしてこんな平然と仕事こなしてるの?ずるいわ。)
「マスター、レモンティー3つにタルト3つ追加ですよ~♪」
「はーい。リンダさん、コーヒーよろしく~!」
「はいなっ!」
「すご~い、リンダってほんとに看板娘だわっ。
私もがんばらなきゃ!」
フィアはアルミスにカップとソーサーを温める作業を頼まれて用意したり、洗いものや掃除の仕方を初日におぼえた。
「疲れたかな?」
「い、いえ。マスターがお店も設計も、パイロットまでやっているのに、私が暇なんてありえません!」
「いや、マスターじゃなくてアルミスで・・・って言っても、だんだん言いにくそうになってるのかなぁ。」
「私は王子を尊敬します。お料理までこなすなんてすごいです。」
「いや・・・王子はやめてほしいんだけど。」
「じゃ、アルミス様ってリンダと同じように呼ばせてください。」
「アルミスって呼び捨てにしてほしいのになぁ。
もう、呼び方は王子以外ならなんでもいいですよ・・・。
ここの片付けと掃除はスタッフメンバーに任せて、フィアは私についてきてください。
本来のトレーニングをしましょう。」
「トレーニングですか?」
アルミスについて行くと、地下にトレーニングルームがあって2人はジャージに着替えてランニングを始めた。
「ウソみたい!さっきあれだけ労働してたあとでトレーニングしておられるんですか?」
「おかしいかな?これでもパイロットなんだけど。」
「いえ、すごすぎます。」
「軍での訓練に比べればぜんぜんあまいでしょう?」
「まぁ、軍では戦いばかりを学びますから。
それでも、1日中体を動かしているわけじゃありませんし、戦術の勉強などしていますし。
国の歴史とか敵の重要人物の話とか・・・聞いたり。」
「じゃ、そろそろその経験の成果をみせてもらいましょうかね。
ここで、私相手に体術をかけてきてください。」
「そ、そんな・・・。」
「まさか、女性同士でばかり戦っていたわけじゃないんですよね。
教官や対戦相手は男性の場合もあったんでしょ?」
「はい。もちろんそうなんですけど・・・でも・・・アルミス様相手にそんな・・・」
「あれ、私はなめられているのかな?
このとおり、戦いをしている男なんで、手加減しなくていいですから。どうぞ。」
「そんなに言うなら・・・いきますよ。
フン!・・・・・はぁーーーーーーータァアアアアアアア!!」
「うわっ!おっと・・・」
「そんな避け方では怪我をしてしまいますよ。
次はとらえます。ハァーーーーーーッ、ヤアアアアアアア!」
「狙いはいいですが・・・ハァッ!フッ!!」
「きゃああああああ!!!」
フィアはアルミスの胸にするどい蹴りを入れるつもりだったが、一瞬でアルミスの体が消えフィアはお姫様だっこされてしまった。
バチーーーーーン!!!
「いたっ・・・」
「その余裕は命取りです!王子様・・・私は格納庫へ行きます。」
「はぁ・・・」
「ワハハハハハ。平手打ちを食らった王子はカタナシですな。」
「ジナフか・・・。すっかり嫌われてしまいました。」
「そんなことはございませんぞ。
女心は複雑ですからな、あれははずかしがっとるんです。
技が完全にはずされたショックもあっただろうし、あの娘は男に抱っこなどされたことがないのでしょう?」
「たぶんね。」
「ふはははは。罪作りですな。
当分、アルミス様を避けるでしょうな。
だがあの眼は・・・かなり意識しとりますよ。ワシの見立ては絶対ですからな。あはは。」
「そうなのか?意識してくれてる・・・のかな。
けど、確かに彼女のプライドは傷つけてしまったなぁ・・・はぁ。」