世界で一番、ずるい恋。
「だったら、尚更…っ!」
別れた方が良いじゃん。
今のままじゃバレた時、恋那ちゃんも巻き込んで傷つける。
先生だけが、ってわけにはいかないんだよ?
先生はそれを分かってる?
「ねえ、先生…」
嫌だよ、先生が傷つくのは。
お願いだから別れてよ。
" 先生と恋那ちゃんの為 "
さっきから言ってることは全部、綺麗事だって分かってる。
ただ、私が嫌なだけ。
好きな人に、先生に、彼女がいるということが。
ねえ、先生。
何で分かってくれないの。
私だって、辛くて、苦しいんだよ…。
本当はこんなこと…したくないんだよ。
でも、いずれ先生が誰かに傷つけられることになるのなら。
ーー私が、先生を傷つける。
幸せな記憶じゃなくて良い。
最悪な、最も深い傷であっても、貴方の中に私が残れば、それで構わない。
だから…先生。
「先生、もう一度言っておくね。別れて」