世界で一番、ずるい恋。




まあ…千堂くんは無視してるみたいだけど。

恋那ちゃんは先生の彼女なわけで、そこに恋愛感情はないはず。



だから別に気にすることなんてない。

それなのにモヤモヤして、妙な苛立ちを覚えるのはどうしてだろう?



それは恋那ちゃんは千堂くんが好きだって聞いてたから、私が気にしすぎてるだけなのかな?

ただ、やっぱり異常な気がするんだよね……。


他の男子にもこんな感じなら分かるんだけど、そういうわけじゃない。


でも、千堂くんカッコ良いから……。

女子からも人気が高いから、そういう人と仲良くなりたいって気持ちは分かる。


まあ、そんな深く考え込むようなことじゃないよね?




「おい、阿波。さっさと来ねぇと、置いていくぞ」

「あ、うん……っ!」



よし、切り替えなきゃ。

返事をすると、私は慌てて千堂くんを追いかけた。




< 141 / 264 >

この作品をシェア

pagetop