世界で一番、ずるい恋。
やっぱり関係なくなんて、ないんだよ。
卒業するまで私たちはどうやっても生徒で、貴方は先生なんだよ。
これだけは、どうしようもないんだよ。
世間からいい風に思われないことなんて、知ってるでしょ?
だけど、もし。
何もかも犠牲にしたとしても、その人を愛し抜けるって宣言できたら、それを実行できたら、その人は運命の人なのかもしれないね。
……だけど先生に、そこまでの覚悟はある?
「出来ないくせに偉そうなこと言わないで」
その言葉を聞くと、先生はうつむいた。
ほら、無理なんでしょ?
所詮、その程度なんでしょ?
例え、公言したところで何らかの試練がやって来ても立場なんて関係ない、そう言いきれるなら大丈夫でしょ。
ーーなんて。
本当は分かってるんだ。
自分がどれだけ意地悪で、無謀なことを言ってるか。