世界で一番、ずるい恋。




突然、成績の話になって今度は私がポカーンとする番。


え、急にどうしたの?

でもね千堂くん。




「私、二位ですけど」

「別に対して変わんねーじゃん」




惜しい、ちょっと違うんだよ。


だってメダルで言えば金と銀だよ?

そう考えると全然違うじゃん。



「てかさ、何が原因なわけ?」

「………数学」




千堂くんに言って何の意味があるの、そう思ったけどそんなこと絶対に言えるわけがない。

だって千堂くんすぐ睨んでくるんだもん。


なので仕方がなく正直に答えた。


その言葉を聞くと、呆れたような視線を向けられて、居心地の悪さを感じる。

だって、彼が次に言う台詞は大体予測できる。

どうせ……。




「それって、やっぱ矢野の見過ぎが原因?」




ほら、やっぱり先生の名前が出てきた。

やっぱってことは確信があるんじゃん。


じゃあそんなこと、わざわざ聞かないで欲しい。





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