世界で一番、ずるい恋。
質 問 *question*
ドキドキしながら過ごす土日はあっという間で、ついに月曜日がやって来た。
上履きに履き替えていると、後ろから軽快な足音がして振り返る。
「おはよ、茜!!」
そこには私の予想通りに、見慣れた姿があった。
麻野 陽果(あさの ひか)、中学から一緒で私の一番の親友。
そして、千堂くん以外で私が先生のことを好きと知っている唯一の存在。
赤みがかった茶色のショートカット、大きな瞳と笑うと見える八重歯が印象的な明るくて活発な美少女。
「ねえねえ、駅の近くに新しいカフェが出来たらしいんだけど、放課後一緒に行かない?」
あ、それ知ってる。ケーキが美味しいってこの間、クラスの女子が話してた。
すっごく行きたい、けど……。
「ごめん、今日はちょっと…」
「あれ、図書委員は先週でしょ?」
断ると首をかしげた陽果に不思議そうに理由を聞かれた。
「……矢野先生に数学、教えてもらうの」