不純に愛して 素直に抱かれて
Side women
「……う、ぅ、ん…」
「果乃子。もっと声出していいんだよ」
「でも」
「恥ずかしい?」
「…出した方が、可愛いですか?」
ベッドでは似つかわしくない質問だっただろうか。都築さんはきょとんとした表情を見せた後クスクスと笑い出した。
「果乃子は人の目を気にし過ぎだよ。もっと素直になりなさい。ましてや俺の前では」
軽薄な安心をくれるその台詞が嬉しい。嬉しくて、悲しい。
「私、都築さんの前では素直です。唯一、素直な女でいられるんです」
思わず滲んでしまった涙に、彼は何を思っただろうか。
「分かってるよ。果乃子は可愛いね。愛してるよ」
愛撫を中断して私の頭を抱きしめてくれる都築さんの言葉に意味は無く。
それでも、そんなものにさえぬくもりを求めてしまう私はどこまで哀しい女なんだろう。