それでも、課長が好きなんです!
第17話 訪問
記憶では、穂積さんのマンションは自宅から徒歩十分以内の場所だった。
「なぁ、ほんとにここなの?」
「……遅くなっちゃたし、出直した方が……」
「馬鹿言え。ここまでつき合わせておいて帰る気かよ」
「……すみません」
付き合ってもらってることに……なるの?
徒歩十分ほどでこれる場所だったが、道に迷って一時間弱も近所をさ迷ってしまった。
だって、あの日どうやって自分の家に帰ったのかも覚えてないんだもん……。
ただでさえ寒い夜に身体の体温は完全に奪われ、身体がガタガタと震える。
自宅を出たのは何時頃だっただろう。
夜も更けたこんな時間に訪問したりして迷惑じゃないか、その思いが弱気にさせる。
穂積さんのマンションを目の前に、足が止まってしまった。
「行かないの?」
佑輔君の声に背中を押され、一歩前に出る。
でもすぐに立ち止まってしまう。
「何階?」
「え……?」
「仕方ない。家の前まで付き合ってやるよ」
強引に手を引かれ再び前に進む。
先ほど触れ合った時は温かかった手も、今はすっかり冷えきっている。
どうしてここまで……わたしなんかのために。
さっきの告白、……だよね?
あれは本当なのだろうか。
「なぁ、ほんとにここなの?」
「……遅くなっちゃたし、出直した方が……」
「馬鹿言え。ここまでつき合わせておいて帰る気かよ」
「……すみません」
付き合ってもらってることに……なるの?
徒歩十分ほどでこれる場所だったが、道に迷って一時間弱も近所をさ迷ってしまった。
だって、あの日どうやって自分の家に帰ったのかも覚えてないんだもん……。
ただでさえ寒い夜に身体の体温は完全に奪われ、身体がガタガタと震える。
自宅を出たのは何時頃だっただろう。
夜も更けたこんな時間に訪問したりして迷惑じゃないか、その思いが弱気にさせる。
穂積さんのマンションを目の前に、足が止まってしまった。
「行かないの?」
佑輔君の声に背中を押され、一歩前に出る。
でもすぐに立ち止まってしまう。
「何階?」
「え……?」
「仕方ない。家の前まで付き合ってやるよ」
強引に手を引かれ再び前に進む。
先ほど触れ合った時は温かかった手も、今はすっかり冷えきっている。
どうしてここまで……わたしなんかのために。
さっきの告白、……だよね?
あれは本当なのだろうか。