ハロウィンの魔法
「お前もさぁ、勇気だしてぶつかってみろよ」
「俺にはそんな度胸ねぇの」
桃華に恋愛関係の話をきくと、絶対に毎回頬が赤く染まる。
好きな奴がいるのはバレバレ。
「でもさ、こないだ純也が『ハロウィンに桃華ちゃん呼び出そうとおもってて』って言ってた」
「は?!」
それは困る。
非常に困る。
純也って言ったら、モテて運動得意でみんなに人気のあの純也だぞ?!
「お前が先に呼び出しちまえば?」
「ああ」
俺の中の何かが、ちらちらと燻りはじめた。
……やってやるよ
俺の気持ち、絶対に桃華に伝える。