Snow Love. ~大好きなキミへ~
相田先輩は無表情のまま、私の目をジッと見据えていた。
「お、おい、葉月。もっと笑えって!陽乃が怖がってるだろ?ほら、笑顔笑顔!」
慌てて優くんが相田先輩に何か言ってるけど、それすら私には届かない。
「優妃。早く行くよ」
「え、ちょっ!」
先輩は去り際にキッと私を睨みつけた後、優くんの腕を雑に掴んで階段から離れていった。
私はその場にボーッと立ち尽くしたまま、必死に頭の中を整理していた。
………私、何かしたかな。先輩に嫌われるようなこと、何かしたっけ。
全然、分からないよ。何もかも、分からない。
私はお昼が終わるまでずっと、ただその場に呆然と立ち尽くしていた。
───その理由が分かるのは、もう少し後のこと。