Snow Love. ~大好きなキミへ~


教室には、私と先輩のみ。


嫌な空気が私の周りを支配しているような感覚に陥った。


───ガタッ。


相田先輩は一歩ずつ教室に入り、一番前の席に腰を下ろす。


私はその場に立ち尽くしたまま。


「あのさ」


………先輩がゆっくりと私の顔に目を移す。


「単刀直入に言う」


肌を刺すような冷たい風がひとつ吹いた。


「優妃にもうこれ以上、近付かないでくれるかな」


ゆっくりとまぶたを伏せる先輩。


私は今言われた言葉を理解できなくて、
必死に自分が返すべき言葉を探した。


「なんで、ですか……?」


ようやく見つけた一言。


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