Snow Love. ~大好きなキミへ~


優くんに、彼女……?………なんで?


今までそんなこと、一回も口に出したりしなかったのに。


彼女がいるんだったら、あんなに優しくしないでよ。


バカみたいじゃん、私。


もしかしたら両思いかも、なんて、ただの私の勘違いじゃんか。


……泣きたかったのに、泣けなかった。


だって先輩が、今にも消えてしまいそうなほどに震えていたから。


「……いつからだろうね。気付けば、私の視線の中央にはいつも、優妃がいた。でも自分の気持ちに気付いた時にはもう、
優妃は違う子を見てた」


………何も、言えなかった。


「優妃の彼女ね、百合(ゆり)って言うんだ。今は1年、海外留学してる。でも、
来年の4月……日本に帰ってくる」

「百合、先輩………」


百合。優くんの彼女さんの名前。


海外留学してるなんて、思いもしなかった。


きっと優くんの彼女だから、とてもキレイで素敵な人なのだろう。


< 113 / 353 >

この作品をシェア

pagetop