Snow Love. ~大好きなキミへ~
優くんに、彼女……?………なんで?
今までそんなこと、一回も口に出したりしなかったのに。
彼女がいるんだったら、あんなに優しくしないでよ。
バカみたいじゃん、私。
もしかしたら両思いかも、なんて、ただの私の勘違いじゃんか。
……泣きたかったのに、泣けなかった。
だって先輩が、今にも消えてしまいそうなほどに震えていたから。
「……いつからだろうね。気付けば、私の視線の中央にはいつも、優妃がいた。でも自分の気持ちに気付いた時にはもう、
優妃は違う子を見てた」
………何も、言えなかった。
「優妃の彼女ね、百合(ゆり)って言うんだ。今は1年、海外留学してる。でも、
来年の4月……日本に帰ってくる」
「百合、先輩………」
百合。優くんの彼女さんの名前。
海外留学してるなんて、思いもしなかった。
きっと優くんの彼女だから、とてもキレイで素敵な人なのだろう。