Snow Love. ~大好きなキミへ~
───そう、百合はそこらのテレビに出てる芸能人よりもずっとキレイで……とても可憐な女の子だった。
私は小学校1年生からずっとバレーをしていて、生粋のスポーツバカ。
それに比べて百合は、ピアノに英会話、
華道。
やること為すこと全てが女の子らしくて。
誰もが羨み、憧れる……そんな存在。
百合の隣にいれば、いいことだってたくさんあった。でもそれと反対に、嫌なことだってたくさんあった。
『葉月ちゃんは男の子みたいね。それに比べて、百合ちゃんは女の子らしくて可愛いわね』
『百合ちゃんは、お人形さんみたいね』
ふたりで並んでいると、同級生やその保護者から絶対といっていいほどそう言われた。
常に、私は百合と比べられた。
でも別に、だからといって百合の隣にいることが嫌だと思ったことは、一度だってない。
だって、私には私の個性があって、百合には百合の個性がある。
どんなに比べられたって、私が私であることに変わりはないんだから。
楽しそうに私と優妃の腕を引いて教室に歩いていく百合を見て、そう思った。