Snow Love. ~大好きなキミへ~


そして中学2年生になって少し経った、ある夏の日。


「あのね……実は……」


少し悲しそうに俯いて、静かに言葉を紡ぐ百合。


私と優妃は、ただまっすぐに百合へと視線を向ける。


百合は寂しげな笑みを零して……


「私のお母さん、再婚するんだ……」


と、言った。


………もともと、百合にお父さんがいないことは私も優妃も知っていた。


百合がまだ1歳にも満たない頃に、百合と百合のお母さんを残して家を出て行ったらしい。


「百合……大丈夫?」


私は百合が心配で。


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