Snow Love. ~大好きなキミへ~


優妃の瞳は、怖いくらいに真剣で。


「……つらかったな」

「……っ………っく……」

「自分の母さんにも、俺らにも言えなくて、怖かったよな。ひとりで、よく耐えたな」

「う……っ、うぅ……」

「気付いてやれなくて、助けるのが遅くなって、ごめんな」


ママが子をあやすように、優妃は優しく百合に話しかける。


「でもな、百合? “自分がいなくなればいい” なんて、思うな」

「………っ」

「お前の母さんは、誰よりもお前を大切に思ってる。お前の母さんにとっては、
今の旦那と別れることよりも、お前がいなくなることのほうがつらくて後悔するに決まってる」


優妃はそのまま続ける。

< 142 / 353 >

この作品をシェア

pagetop