Snow Love. ~大好きなキミへ~
愛花ちゃんが私の方に振り向いて、少し興奮気味に告げた。
「ねぇ陽乃!校門のところにすっごい美人な人がいるよ!……ってあれ?優妃先輩?」
私の心が、不吉な音を鳴らす。
「まさか……」
愛花ちゃんはようやく気付いたみたいだ。
「……優妃先輩の幼なじみの彼女?」
私はその問いかけに、小さく頷いた。
窓際に向かって一歩一歩、足を進める。
途中、光莉ちゃんと愛花ちゃんふたりの心配そうな視線が私に向けられたけど、それでも私は歩くことを止めない。
そして……私の瞳に、一組のカップルが映った。
まるでドラマのワンシーンのように、百合さんが優くんの胸へ飛び込む。
何人かのクラスメイトがキャーっと叫んだけど、私の瞳にはふたりしか見えていない。
それからしばらく、私はただ呆然とその光景を眺めていた。