Snow Love. ~大好きなキミへ~
───どれくらい経ったのだろうか。
気付いた時にはもう、窓際に集まっていた人だかりは消えていて、クラスメイトはみんな帰ったみたいだ。
優くんと百合さんは、まだ校門のそばでふたり話しているまま。
そっと後ろに振り返ってみると、切なげに微笑む光莉ちゃんと愛花ちゃんがいた。
その微笑みが、苦しいくらいに優しくて……“我慢しなくていいよ”って、“泣いていいよ”って言われてるみたいで。
「……大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
「嘘。全然、大丈夫じゃないじゃん」
「大丈夫だって」
私は大丈夫。
そう強がっていないと、本当に泣いてしまいそうで。