Snow Love. ~大好きなキミへ~
笑わなきゃいけないのに、いつものように笑顔が作れない。
「ははっ……情けないなぁ」
自分自身を叱咤する。
涙が零れてしまわないように。
「泣いちゃえば?」
でもそんな私の決意を踏みにじるように、愛花ちゃんがそう言った。
「つらい時は、泣いていいんだよ。泣きたい時は、素直に泣けばいい」
「無理、だよ……」
「なんで?」
「だって……っ」
きっとここで泣いてしまえば、全部全部、叫んじゃいそうだから。
お母さんのことや梨乃のこと、今まで隠し続けてきたこと全部、ふたりに言ってしまいそうだから。
「陽乃」
愛花ちゃんの手が私の頭をそっと撫でた。
「陽乃にとって、私と光莉はなに?」
「え……?」
目の前の愛花ちゃんは目尻に涙を溜め、寂しそうに笑っていた。
「……っ……うぅ……」
光莉ちゃんは、俯いたまま肩を震わせ、泣いてるみたいだ。