Snow Love. ~大好きなキミへ~
そんなふたりに、私の胸はチクチクと鋭く痛み始める。
「ずっと考えてたんだ。光莉と。陽乃はきっと、何か私たちに隠してるでしょ?」
「……っ」
「分かってたんだ。でも、分かってたからこそ、聞けなかった。これを聞いてしまえば、陽乃のこと傷つけちゃうんじゃないかって。陽乃は、私たちから離れていくんじゃないかって」
視界が、だんだんとぼやけていく。
「陽乃を失うことが、怖かった」
3人しかいない教室に、光莉ちゃんの鼻をすする音が小さく響いた。
………私もだよ、光莉ちゃん、愛花ちゃん。
ふたりに事実を言って、嫌われてしまうことが怖かった。
本当のことを言ってしまえば、ふたりは私を軽蔑して離れていっちゃうかもしれない。
“一人ぼっち”になっちゃうのが、怖くて怖くて……逃げてたの。
でも、もう言わなきゃね。
ふたりは私の大事な人。
それだけは絶対に変わることはないから。
私はそっと、一言一言を、ひとつひとつをふたりに告げた───。