Snow Love. ~大好きなキミへ~


そんなふたりに、私の胸はチクチクと鋭く痛み始める。


「ずっと考えてたんだ。光莉と。陽乃はきっと、何か私たちに隠してるでしょ?」

「……っ」

「分かってたんだ。でも、分かってたからこそ、聞けなかった。これを聞いてしまえば、陽乃のこと傷つけちゃうんじゃないかって。陽乃は、私たちから離れていくんじゃないかって」


視界が、だんだんとぼやけていく。


「陽乃を失うことが、怖かった」


3人しかいない教室に、光莉ちゃんの鼻をすする音が小さく響いた。


………私もだよ、光莉ちゃん、愛花ちゃん。


ふたりに事実を言って、嫌われてしまうことが怖かった。


本当のことを言ってしまえば、ふたりは私を軽蔑して離れていっちゃうかもしれない。


“一人ぼっち”になっちゃうのが、怖くて怖くて……逃げてたの。


でも、もう言わなきゃね。


ふたりは私の大事な人。


それだけは絶対に変わることはないから。


私はそっと、一言一言を、ひとつひとつをふたりに告げた───。


< 162 / 353 >

この作品をシェア

pagetop