Snow Love. ~大好きなキミへ~
───さらり、さらり。
暖かい木漏れ日とともに、やわらかい春の風が私の頬を横切る。
陽だまりに包まれた教室のはしっこで、私たち3人は肩を寄せ合い泣いていた。
ただ、“ごめんね”を繰り返しながら。
「早く帰ろうよー!」
「ちょっと待ってー」
「もう、遅いよ!」
私は何に怯えて逃げてたんだろう。
ずっとずっと、何に迷ってたんだろう。
「陽乃!」
私のそばにいてくれる人が、こんなにも近くにいたのにね。
「光莉ちゃん、愛花ちゃん………」
今なら、素直に言える気がする。
なんの偽りもなく、本当の笑顔で。
「いつもそばにいてくれて、ありがとう。……大好き、だよ……」
春先の暖かい教室の隅。
みんなが笑って、心と心のリボンが優しく結ばれたような気がした。