Snow Love. ~大好きなキミへ~
「で、まず何から話す?」
私がそう言うと、光莉ちゃんは少し深く考え込んでから、ためらいがちに言った。
「あの……白瀬くんってさ、あんまり女の子好きそうじゃないよね……」
きっとためらいがちに言ったのは、愛花ちゃんのことを想ったのだろう。
女の子が好きそうじゃないということは、彼の恋愛対象に愛花ちゃんがいないということと一緒のことだから。
「そうだよね……」
少し俯いて、愛花ちゃんが小さく呟いた。
その様子から、いつもの強くて頼れる愛花ちゃんはもうどこにもいなくて…。
そこにいたのは、弱くて儚い、恋をするひとりの女の子だった。
「私、1年生の時も何回か聞いたことがあってね」
「何を?」
「白瀬くんに告白した女の子は、必ず酷いことを言われて振られる、って」
「あ……」
そう、これが彼の持つジンクス。
白瀬くんに告白をしてしまえば、酷い振られ方をする。
それが、女嫌いだという彼のイメージをより鮮明に作り出していく。