Snow Love. ~大好きなキミへ~
「今まで白瀬くんに告白した女の子は、振られたら終わり。だから白瀬くんに見てもらえないんだよ。すぐに諦めちゃうから」
「……っ」
「好きなら、どこまででも追いかければいいのに。大好きなら、何回でも“好きです”って伝えればいいのに。……それでもダメだったら、それは仕方ないことだよ。人の気持ちは、他人が何をしようが操れないんだから」
目にうっすらと涙を溜めた愛花ちゃん。
光莉ちゃんは微笑んだまま、机の上で固く握られた愛花ちゃんのてのひらに、自分のてのひらをそっと重ねた。
「ね、愛花。頑張り続けることに、意味があるんだよ。つらいこと言われて傷ついた時は、私と陽乃のところにいつでもおいで。愛花の泣く場所は、ちゃんとここにあるから」
その言葉に、なんだか私も泣きそうになった。
言葉が胸につかえて、何も言うことができない。
私もそっと、愛花ちゃんのてのひらを自分のてのひらで包み込んだ。
気の利いたことは言えないけれど、光莉ちゃんみたいに上手い励ましの言葉も出てこないけれど。
どんな時でも、そばにいるから。
……こんなにも強く誰かの役に立ちたいと思ったのは、初めてのことだった。