Snow Love. ~大好きなキミへ~
いつも強くて明るくて、頼りになる愛花ちゃんの顔が、白瀬くんに話しかけるたびにつらそうに歪む。
その表情に何度、“白瀬くんはやめときなよ”って言いそうになったことだろう。
でも、結局は言わなかった。
ううん、愛花ちゃんの気持ちを想うと言えなかったんだ。
だって私は知ってるから。
叶う可能性が10%にも満たない人を好きになって想い続けることが、どんなにつらくて苦しいことか。
本気で好きになった人を諦めようとすることが、どんなに大変で難しいことか。
……恋をした相手が、自分の中でどれほど特別な存在になり、かけがえのない大切な人になっているのか。
知ってるからこそ、“やめときなよ”なんて否定的な言葉を簡単に口にするわけにはいかなかった。