Snow Love. ~大好きなキミへ~
パッと横に向くと、ザッザッとスパイクで土を踏みしめながらこっちへ走ってくる彼の姿があった。
「……なに」
昨日のことが脳内によみがえってきて、少しぶっきらぼうにそう言い放つ。
「ちょ、そんな怒んなよ!俺、昨日いっぱい考えたんだから」
「そう」
「なぁ、俺の目を見て」
「……やだ」
かたくなに拒む私の様子に、彼が小さく溜め息をついたのが分かった。
「……ちょっと!」
急に私の手が何か温かいものに包まれる。
下に視線を落とすと、彼の両手が私の両手を固く握っていた。
「………離してよ」
「やだ。あんたが俺のこと見てくれるまで離さない」
「……みんな見てるから」
「別にいい」
「私がよくないの……」
いつの間にか、私たちふたりの周りにはたくさんの生徒たち。