Snow Love. ~大好きなキミへ~


でも彼は嬉しそうな笑みを浮かべたまま、私の瞳をまっすぐに見つめた。


「好きだ」


その直球な言葉に、素直すぎる告白に。


周りが“キャー”っと盛り上がるのが分かった。


「あんたに好きな人がいるのは分かってる。俺のこと、全く好いてくれてないのも分かってる。それでも俺は……」


もう、笑ってはいない。


私を見つめるその真剣な瞳や顔つきは、立派な男の子のもの。


「あんたが好きだ」

「……っ」

「本気で、好きになったんだ」


スポットライトに照らされるように、春の光が私たちの上に降りかかる。


胸の奥が、トクンと鳴った。


にかっと笑った彼の笑顔が、なんだかとても眩しかった。


< 205 / 353 >

この作品をシェア

pagetop