Snow Love. ~大好きなキミへ~
気づけば私は家にいた。
帰り道のことはあまりよく覚えていない。
ただ……ようやくの思いで駅までたどり着いた時、光莉ちゃんと愛花ちゃんの姿が見えて、その胸に飛びこんで泣きじゃくったのを覚えてる。
私のことが心配で、ふたりで待っててくれてたんだって。
しゃくりあげながら先輩とのことを全部を話し終えた私を、ふたりは何も言わずぎゅっと抱きしめてくれた。
「……はぁ」
ふたりの腕の温度を思い出しながら、私はベッドにボフッと身を沈める。
そして何も考えなくていい夢の中に眠りにつこうとしたのに、浮かんでくるのは優くんの笑顔と相田先輩が言った今日の台詞。
“百合を守りたい”
“でも、陽乃を泣かせたくない”
そう言った優くん。