Snow Love. ~大好きなキミへ~


……ねぇ、優くん。


私がキミと出会ったのは、凍えるような寒い冬の日だったね。


ひとりぼっちで泣いていた私を、優くんは温かい心で包んでくれた。


“すんません。こいつ、俺の女なんで、気にしないでください。ちょっと喧嘩してて……でももう、大丈夫なんで”


初めて聞いたキミの声。


話したこともない全くの他人の私を、優くんは大きな優しさで救ってくれた。


“先輩じゃ、嫌だ。ちゃんと……名前で呼んでよ”


キミの悲しげな横顔に、私の胸が痛いくらいに苦しくなったのを今でも覚えてるんだよ。


そして過去を話し終えた私は、自分がなんで生きているのか分からなくて、“死にたい”って優くんに言った。


そしたら優くんは、泣きながら私に言ってくれたんだよね。


“生きろよ”って。


本当に、嬉しかった。


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