Snow Love. ~大好きなキミへ~
「じゃあ坂本くん、先生ちょっと職員室でやらなきゃいけないことあるからここ離れるけど……大丈夫よね?」
「……はい」
「顔色が悪いからゆっくり寝てなさいね。1限が終わる頃、また戻ってくるから」
よたよたとおぼつかない足取りで保健室に向かった俺。
よっぽど酷い顔をしていたのだろう。
保健室の先生はすぐに1限の授業担当に連絡してくれ、ここで1限の間休めることになった。
普段の俺なら授業をサボるなんてこと絶対にしないんだけど、今日ばかりは別だ。
根拠はないけど、授業なんかよりこの手紙を開くことのほうが大切な気がした。
───カサッ…。
静寂の中、紙のすれる音だけが響く。
俺は暴れる心と不安な心を落ちつけるように、便せんに綴られた文字を目で追い始めた───。