Snow Love. ~大好きなキミへ~
静かな空間に、俺の鼻をすする音だけが響く。
「……っ、うぅ……、っく……くそっ…」
この手紙から伝わってくる陽乃の純粋な気持ち。
“優くん、大好き”
今すぐにでも聞こえてきそうな、陽乃の声や言葉。
そして、目をきつく閉じると鮮明に浮かんでくる、陽乃の笑顔。
でもそれは嬉しい時や楽しい時に浮かべる笑顔ではなくて、あの時のような……。
そう。
俺が思い出すのは、あの冬の日のような、儚げで壊れてしまいそうな笑顔だった。
“優くん、幸せになってね”
そう無理にでも笑顔を浮かべて、寂しそうに微笑む陽乃の姿が簡単に想像できてしまう。
「……ごめん、ごめん……陽乃…」
いつかこうなることは、もうとっくに分かりきってたはずなのに。
このまま曖昧な関係でいれば、やがては陽乃を傷つけてしまう。
泣かせてしまう。
………陽乃を傷つけたくないと思っていながら、俺は一番最低な方法で陽乃を傷つけた。