Snow Love. ~大好きなキミへ~
「ねぇねぇ、陽乃!次、文化祭の役割分担決めだよ!」
「へっ……あーそうだった!私、そんなことすっかり忘れてたよ……」
「え!?もう、陽乃しっかりしてよ!」
「あはっ、ごめんごめん」
今は5限目のLHRの時間。
11月にある文化祭に向けての役割決めをするんだって。
それにしても………もう、文化祭の時期なんだね。
季節は10月を迎えて、緑色に色づいていた葉っぱが茶色に染まり変わろうとしている。
「……キレイだよね」
私が外の景色を眺めていたのに気付いたのか、光莉ちゃんが窓際に立っていた私の隣に並んだ。
「本当、ひとつひとつの葉っぱが太陽の光でキラキラしてて、すごくキレイ……」
光莉ちゃんに続くように、愛花ちゃんも私のそばに近づいてきた。
「……なんでなんだろう」
「ん?」
「なんでこんなに時間は経ってるのに、誰かを好きな気持ちは消えてくれないのかな」
「………陽乃?」
「季節は変わっていくのに。窓から見える景色だって……こんなにも変わってるのに」
ふたりの視線が痛々しいくらいに私の背中に突き刺さる。