Snow Love. ~大好きなキミへ~
だって……本当にそうだよ。
時間だけが経って、でも、あの人を好きな気持ちは微塵も消えてくれなくて。
「世界はどんどん前へ進んでるのにね。未来に向かって、歩いてるのにね。……私だけ、おいて行かれてるみたい」
そこまで言って、私は喉に言葉を詰まらせた。
胸の奥が締めつけられるように痛い。
「ひ、かりちゃ……っ、あい、か……ちゃ……っ」
怖くて怖くて、たまらない。
あんな別れ方をしたくせに、自分から手紙を書いたくせに。
まだ、優くんを諦めきれない自分がいる。
光莉ちゃんも愛花ちゃんも、優くんだって……みんなみんな、前に向かって歩いてるのに、私だけ過去を振り返ったまま。
ひとりで歩くのが、怖いんだ。
おいて行かれるのが、怖いんだ。
矛盾しているこの気持ちを自分でどうすることもできずに、ただ月日だけが過ぎていく。
「……泣いていいよ」
ふたりは、私が泣いているのがバレないように顔をタオルで覆ってくれた。