Snow Love. ~大好きなキミへ~


今は放課後。


3人しかいない教室はやけに静かで、私から漏れる嗚咽と鼻をすする音だけが鼓膜に響く。


「お、母さんがっ、伝えたいこと、知りたいのに……っ、分からない、の…っ」

「……うん」

「………ううん、違う…違うよ。分からないじゃなくて……っ、分かりたくない…」

「……うん」

「お母さんに、何を言われちゃうのか……っ、それが……怖い……っ」

「………そうだよね、怖いよね」

「ふぅ……っ、っく……」


そうだよ。


私は、怖いんだ。


お母さんから出る言葉が。

お母さんが伝えたいことを知るのが。


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